3回に渡りお届けしている今話題の「禁煙外来」。
禁煙外来の治療について、提携クリニックであるごとう歯科医院(滋賀県)後藤院長にお聞きしています。
前回では、たばこ切れの症状を乗り切る「9つの行動療法」を教えていただきました。今回はもう一つの療法である「ニコチン代替法」について詳しく教えていただきます。
3回に渡りお届けしている今話題の「禁煙外来」。
禁煙外来の治療について、提携クリニックであるごとう歯科医院(滋賀県)後藤院長にお聞きしています。
前回では、たばこ切れの症状を乗り切る「9つの行動療法」を教えていただきました。今回はもう一つの療法である「ニコチン代替法」について詳しく教えていただきます。
たばこを止めたときにイライラしてしまうのはどうしてでしょうか?その原因は主に次の2つにあります。
●心理的依存(習慣)←行動療法で対処
喫煙者は「朝起きたら必ずタバコを1本吸う」といったように生活の中に喫煙習慣が定着している方が多いのが現状です。
「タバコを吸う」という心理的に癖になっている行動パターンから抜け出すために、9つの行動療法が効果的と言われています。
●身体的依存(ニコチンへの渇望)←ニコチン代替法で対処
カラダがどうしてもニコチンを欲しがる、この状況を身体的依存と言います。これは、脳の神経細胞がニコチンを要求してしまうからであり、これを乗り切ることが喫煙者にとって最も苦しいものです。身体的依存に対しては、ニコチンパッドやニコチンガムなどのニコチン代替療法で少しずつニコチン摂取量を抑えていくことが効果的です。
最近ではテレビCMが流れ、薬局で気軽に購入できるようになったニコチンパッチやニコチンガム。しかし、これらについて正しく理解していないと誤った使い方をしてしまうことも。
正しい知識を身につけてからニコチン製剤を使いましょう。
●ニコチン代替(置換)療法のしくみ
タバコの替わりにニコチンを置換摂取させ、喫煙より低いニコチン血中濃度でニコチン依存から離脱症状を軽減させる方法で、ニコチンの身体的依存を軽減します。
ニコチン製剤で置換してタバコを止め、その後ニコチン製剤の使用も止めるという2段階の方法を取ります。
【ニコチン代替療法の注意点】
・タバコの併用は禁忌!! ・初期には十分量を使用する。 ・行動療法を併用して行う。
●ニコチンガム(二コレット)の使い方
5つのポイント
か 噛みすぎない。 3回ぐらい〜10回
き 休憩を忘れずに。
く 繰り返す。30分から数時間使える。
け けむりは吸わない。たばこは禁忌。
こ 個数にこだわらない。最初は12個/日程度
●ニコチンガムの利点と欠点
【利点】
【欠点】
●ニコチンパッチの使い方
基本的な使い方
・朝寝起きに貼り、夜寝る前に剥がす
・寝起きに1本吸う人は朝まで貼る
・副作用が出れば、剥がしてガムを使用
(途中で剥がしてもある程度ニコチン濃度は保たれます)
・パッチの効果がでるまでは、ガムを使用
※ 依存度が高い人、寝起きに1本吸う人は、就寝前にパッドを貼ります。
パッチのサイズの選び方
サイズ | 30㎠/21r | 21㎠/14r | なし |
1日本数 | ≧15 | 10−14 | ≦ 9 |
最初の1本 | ≦ 30min | 31-60min | >60min |
ニコチン量 | ≧0.8mg | 0.3-0.7mg | ≦ 0.3mg |
離脱症状 | 強い | 普通 | 弱い |
循環器疾患 | なし | あり | |
依存度 | 高い | 中等度 | 低い |
●ニコチンパッチの利点と欠点
【利点】
【欠点】
このように、ニコチン代替療法は一見すると簡単にできそうですが、人によっては副作用が起きたり、使い方を間違えると逆効果になってしまうことがあります。使用する際は使用方法を十分に把握してから始めましょう。
適切に、また確実に禁煙を進めていくには、禁煙外来を受けて医師と最も合った方法を話し合い、二人三脚で行うことが良いと言えるでしょう。